アップル社のこの新しいプロトコールにより、同社のアイフォンやiPad、そしてApple Visionは、物理的な動きやボイスを必要とせずにデジタルハードウエアをコントロールすることを可能とするBCIと完璧に統合できると発表されました。 いくつかあるBCI製造会社の中で、唯一シンクロン社(本社はニューヨーク)のBCIが世界初で、アップル社のヒューマン・インターフェース・デバイスと「Native Integration ネーティブ・インテグレーション」を達成したという見出しが最近のニュースマガジンに掲載されています。
「ネーティブ・インテグレーション」とは、二つのアプリケーション間の直接コネクション、データフローを指し、あるアプリケーションの機能がもう一つのアプリケーションと隙間なく完璧に統合することを意味しています。
シンクロン社のBCIをインプラントされている患者たちは手や目などの物理的な動きを使うことなく、またボイスコマンドを使うことなく頭の中で思うだけで、アイフォンや、iPad、そしてApple Visionが操作できます。これはユーザーのアクセスの容易さからも、また人類の脳神経テクノロジーの観点からも大きなマイルストーンであるとテクノロジー関連のマスコミでは注目されています。
シンクロン社のサイトから
以上の報道のサイト:https://www.technewsworld.com/story/apple-adds-brain-to-computer-protocol-to-its-accessibility-repertoire-179739.html https://neuronewsinternational.com/synchron-apple-vision-pro-brain-computer-interface/
シンクロン社のBCIについては昨年のこのニュースコラムでもご紹介したのでご記憶のあられる読者もいらっしゃると思います。 シンクロン社のBCIは他社のBCIとは違って、脳内ではなく血管の中にインプラントされています。血管内に挿入するステントのようなので、製品名をStentrode(ステントロード)と名付けています。脳内インプラントだと大々的な脳の切開手術や脳組織への貫通プロシージャを必要としますが、ステントロードはステントのようなミニマムの侵襲性ですむという低リスクを強みとしています。
こういったテクノロジーを必要としている世界中の患者たちに、安価でアクセスできるようになる日がそう遠くないことを願って止みません。
2025年6月5日 レポーター:伸子シュルー (Nobuko Schlough 米国)