日本や欧州、その他の国々と比較すると米国での薬剤価格は3〜6倍から、薬によっては10倍以上もすることが何年も前から知られていますが、A L S治療薬も例外ではありません。 カナダの価格は日本や欧州と比べると高いですが米国よりは低いのが通常で、カナダから処方薬を取り寄せる米国人も年々増え続けています。A L Sの薬の価格比較に関してどのような論文や記事が見つかるか調べてみましたら次のようなものがありました。2019年の時点でその時に承認されていた二つの薬剤(Riluzole (日本商品名リルテック)と Edaravone(日本商品名ラジカット))の製薬会社の定価を記載した論文がカナダ政府の医薬品・医療機器管理機関から下記のようにでています。 そして2022年9月にF D A(米国食品医薬品局)により承認された3番目のA L S治療薬AMX0035 (米国商品名レリブリオ)の価格はNY Times誌に記載されている価格を抜粋しました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK542527/
2019年の論文から(カナダでの価格、2019)
薬名 年間費
リルゾール $5360 (74万5千円)
エダラボン $185182(2431万円)
NY Times の記事では、2022年9月の時点でのリルゾール、エダラボン、レリブリオの定価を下記のように挙げています。
薬名 年間費(米国での価格、2022)
リルゾール $10000 (約131万円)
エダラボン $171000 (約2240万円)
レリブリオ $158000 (約2070万円)
日本の価格をインターネットで調べてみますと、次のように出ていました。(2023)
リルゾール 年間で約40万円
ラジカット 年間で約100−260万円 (製薬会社により価格差あり)
レリブリオ 未承認
下記は待ちに待ったALS新薬の米国での定価が法外すぎると落胆する患者たちを取り上げたNY Times誌のニュースです。年間で$158000(2054万円)と発表されました。富裕層でなければ無理な額です。一般人にも手の届く価格になる日が1日でも早く到来することを願うばかりです。
調査日 2023年2月8日
伸子 Nobuko Schlough