ALS世界ニュース ニュース

[ 英国 ] 14歳のALS患者

一般的に50-70歳代に発症することが多いALSですが、14歳のALS患者の男の子のニュースが話題になりました。2025年秋のイギリスでのニュースになりますが、ロンドンのKing’s College Hospital NHS Foundation Trustにある運動ニューロン疾患(MND)ケア・研究センターにおいて、希少なタイプの筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新たな治療法を検証する臨床試験に、最年少の患者が登録されました。

ALSはMNDの中で最も症例の多いタイプで、時間の経過とともに筋力が低下し、最終的には命を縮める病気です。現在、MNDに対する根治的な治療法は存在していません。キングスMNDケア・研究センターは、英国で最初に設立されたALS/MNDの専門施設であり、King’s College Hospital NHS Foundation TrustとKing’s College Londonの連携によって運営されています。

キングスは、FUS遺伝子*1の変異によって引き起こされる特定の遺伝性ALSを対象とした「FUSION試験」に参加している英国唯一の施設です。この試験は2021年から患者募集を開始しており、「ウレフネルセン(旧ION363)」という薬剤が病気の進行を遅らせたり停止させたりできるかを検証しています。試験参加者には、3か月ごとに腰椎穿刺を通じて薬剤またはプラセボが投与されます。

*1 FUS遺伝子 RNA結合タンパク質(FUS)をコードする遺伝子で、主に家族性ALSの原因となる。

FUS-ALSは非常に稀な疾患ですが、小児期や若年成人におけるALSの原因としては最も一般的であり、また進行が非常に速いタイプでもあります。

ウェールズのポンティプリッド出身の14歳、カイル・シエニアウスキさんは、英国でALSと診断されている中で最年少とみられています。彼はNIHR King’s Clinical Research Facilityにおいてこの臨床試験に参加しており、その結果が良いものになることを願っています。

母親のメラニー・シエニアウスキさんは次のように語っています。
「カイルはこの試験に参加できる機会を得てとても喜んでいます。この治療が彼自身、そして他のALS患者の助けになることを心から願っています。この病気についてはまだ分かっていないことが多く、研究こそが未来への最大の希望です。」また、James Bashford医師(キングス・カレッジ病院名誉神経内科コンサルタント)は次のように述べています。
「現在、ALS患者に対する治療選択肢は非常に限られており、この分野の研究は極めて重要です。カイルさんをはじめとするすべての研究参加者の協力に深く感謝しています。この試験の結果が、この深刻なALSに対する有効な治療法の確立につながり、世界中の患者が症状を管理し、より長く自立した生活を送れるようになることを期待しています。」

2026年4月27日

報告者 T. Kawashima from London, UK @P-ALS

関連記事