第2相クリニカル・トライアル中のALS治療薬CNM -Au8、米国国立研究所から約62億円のグラント受賞。EPI(特定の患者グループに未承認薬の使用許可を与えるプロトコル)も期待される。
Clene Nanomedicine社(クレン・ナノメディスン社、ユタ州ソルトレイクシティ)のALS治療薬「CNM -Au8」の第2相臨床試験は現在も続行中ですが、そのトライアルの途中結果は、非常に良好で期待されるものであると米国のALS関連サイトの多くに取り上げられています。Neurologylive .comやALSnewstoday .comなどの9月の記事によりますと、Phase2の途中結果は、プラセボと比較して約8ヶ月間の時点で、ALSの進行を55%遅延させているそうです。
CNM-Au8はミトコンドリアを健康にし、神経機能を守ることを目的とする金触媒使用の経口薬です。 シドニー大学の脳神経学部長のカーナン氏は、トライアル・クリニカルアドバイザーとして臨床試験の進捗を追跡しており、「次々に送られてくる臨床データは実に見事なもので、二つの異なる長期分析モデルを使った分析において、死のリスク(Risk of Death)を70%以上も減少させているという数字を次々に一貫して出し続けています。」と言及しています。
また10月5日のニュースではClen Nanomedicine社はNIH(米国国立衛生研究所)の傘下にあるNINDS(神経障害・脳卒中研究所)から向こう4年間で合計$45.1Million(約62億円)のグラントを受け取ることが決定したと発表しています。このグラントの目的はCNM -Au8の、ALSにおけるEPI(Expanded Access Protocol:拡張されたアクセス・プロトコル)をサポートすることにあると記述されています。EPIとは、FDA未承認の薬でも命を脅かす病を患っている患者たちがトライアル中=未承認の薬剤にアクセスすることを許可するもので、Compassion use(慈悲深い使用)とも呼ばれています。
https://clinicaltrials.gov/study/NCT04098406?tab=history&a=4
https://finance.yahoo.com/news/national-institutes-health-awards-45-140000897.html
Reported by Nobuko Schlough on Oct 06 2023, Edited by Kiyoshi Nagasawa
編集アドバイスいただきました国立病院機構千葉東病院武田先生に深謝いたします。