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「ゆめばす」ご利用者様の声(中村様) 〜久しぶりのヴィンヤードへ愛犬と一緒に〜

どこよりも行きたかった場所へ

姉が ALS に罹患する前、姉と一緒に歩んできた場所。それが長野県立科町にあるヴィンヤード(ワイン用ブドウ畑)です。
私は 10 年前に脱サラしてブドウ畑を始めました。右も左も分からない新しい道でしたが、なんとかやってこれたのは姉が苦楽を共にしてきてくれたからです。そんな姉をヴィンヤードに行ってみるという気持ちにさせてくれたのが「ゆめばす」でした。父がたまたま見つけた新聞記事で知った「ゆめばす」をお借りして、冬が来る前にいってみようと思い立ちました。

すこやかさゆたかさの未来研究所様に問い合わせ、すぐにご快諾を頂き足の目途がたって次は宿。
姉の生き甲斐でもある愛犬の風(ふう)を連れていくため、ペット同伴可でかつバリアフリー対応のホテルを探しました。数少ない候補から、室内のトイレの写真を撮って送ってもらい、ここなら行けそうだというところを探し出しました。高速道路のサービスエリアや道の駅のトイレを実際に訪れ、ここなら大丈夫というところもいくつか確認。
具体化まではとても大変でしたが、何十年ぶりかで父、母、妹との家族旅行が実現しました。

一泊二日の家族旅行。「ゆめばす」を走らせ首都高速から中央自動車へ。途中のサービスエリアのドッグランで風(ふう)を遊ばせ、蓼科のホテル(ゆとりろ蓼科ホテルwithDOGS)に無事到着。
翌日は紅葉が美しいヴィーナスラインを走って立科町へ。途中、長門牧場に立ち寄って解放感あふれる景色の中でソフトクリームを堪能。
蓼科山や浅間山を臨むロケーションにあるヴィンヤードに無事到着。
収獲を終えて落葉が進むブドウの樹を眺めながら、姉は何を想ったことでしょう。


行きの首都高速で涙し、ヴィンヤードがある立科町に近づくにつれて涙があふれ、ヴィンヤードでも涙。姉にとっては辛いことだったのかも知れません。
でも、でも、乗り越えて欲しい。家族がいつも一緒にいる
また「ゆめばす」で”ふう”と出かけよう!そう思うことがあるような旅であって欲しいと願っています。

因みに、ヴィンヤードには「carraria(カラリア)」という名前を付けています。「轍」「道」 などを意味するラテン語で、「career」(キャリア) の語源と言われています。
そのロゴのラインは各自の来し方行く先をイメージしたもので、ヴィンヤードに足を運んでくださる方々の轍・人生を表現しています。このコンセプトを創った当事者である姉にこそ、ラインの行く末が長く幸せに満ちたものでありますように。

今回の旅は、すこやかさゆたかさの未来研究所様はもちろん、日ごろから家族のように親身 になってご支援くださっている関係者の皆様方のお陰で実現しました。
この場をかりてあらためて御礼申し上げます。そして、これからもどうぞよろしくお願いします。

旅行翌日の姉からのメッセージ
『ありがとうね 久々の遠出 スペシャルな時間 それを現実にやってくれちゃう家族』

2025.11.15

ゆめばすについて

  • 車内が広く、車椅子に愛犬を乗せても十分。 
  • リフトで車いすの乗り降りも簡単。
  • 車体は大きいものの、運転に慣れた方なら問題ない。ただし後進は難しい。
  • 車高が高いため、思わぬところで通れず立ち往生するリスクがある。

中村様の「ゆめばす」一泊二日旅行のしおり

  • 目的地
    ヴィンヤード カラリア(長野県立科町)
     
  • 搭乗者
    姉(ALS 患者当事者)、父、母、私(運転手)、妹(計 5 名)、愛犬(風)
     
  • 行 程
    自宅 ▶︎ 中央自動車道 ▶︎ ゆとりろ蓼科ホテル with DOGS(泊) ▶︎ ヴィーナスライン ▶︎ 長門牧場 ▶︎ ヴィンヤード カラリア ▶︎ 長野自動車道 ▶︎ 自宅
     
  • 主な内容
    – 久しぶりの長距離ドライブ
    – 行く先々でのドッグラン
    – 紅葉の景色
    – 長門牧場でのソフトクリーム
    – 立科町の風景
    – 懐かしのヴィンヤード

~生まれ変わった救急車がALS患者さんの移動の夢を実現します~

「ゆめばす」は、ALSをはじめとする障害のある方が、出かける楽しみをあきらめず、キラキラした日常を取り戻し、気軽に「行きたい場所」に行ける社会の実現を目指しています。

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