活動・お知らせ

早稲田ゆき議員との座談会の報告

9月10日(日)、立憲民主党国会議員早稲田ゆきさんと逗子市市民交流センター内会議室で「重度訪問介護制度」「身障者の就職支援」等について座談会を実施しました。定員15名のところ20名近い方々にご参加いただき、熱い座談会となりました。

もともと今回の座談会のお話は、今年6月、厚生・福祉関係を中心に活動しておられる議員の方からのお声がけで始まりました。ちょうど財団としても、介護等制度の改善に向けた活動を展開しようと考えていたタイミングでもあったことからお引き受けしたという経緯があります。

私としては、一財団の試みを超えて幅広く同問題に関する理解と認識をまず一般の人たちにも広めていく必要があると考えていたことから、制度や法律作りの専門家たる政治家とのかかわりは不可欠と考えてきた経緯もあります。急速に進む高齢化社会の到来に備え、行き届いた制度の確立は不可欠ですが、インフラ的にも行政レベルでも、また一般の人たちの認識のレベルにおいても「介護」や「障害者支援」についてまだまだ十分な認識が広がっているとは言えません。そこでまずこうした制度的な支援を最も必要としている重度の障害に苦しむ難病患者の現状をお伝えすることで世間一般の関心を集めることは大切だと考えていました。

お話を通して、制度があるということと実際にそれが障害者や患者のニーズを満たして運用されていることには大きなギャップがあること。財政的に苦しい自治体をつついてみても、必ずしもすぐに満足が得られる結果を期待できない現状などについて説明しました。制度や法律の改善については、継続的に他の団体、支援者等とも連携しながら地道な努力を続けていかざるを得ませんが、目の前で苦しんでいる人がいる現状に対しては、実現可能性の優先度を念頭に実行性、即応性のある施策の検討が必要だとお伝えしました。

その具体例として、民間企業活力の活用を掲げました。これは、現在民間企業の側でもSDGsやESGの機運が高まりつつある中、ある程度実効性のある障害者支援の在り方を模索する動きが出始めているタイミングを捉え、効果的な連携の可能性があることを実例を踏まえて説明しました。また、もちろん一挙に全国レベルでこうした動きを展開させることは必要ですが、地域の特性等も加味し地方の自治体や地元企業との連携を重視した「パイロットプロジェクト」的な取り組みが有効なのではないかと提言させていただきました。

会場にお越しいただいた方々からも、「身障者になって世の中に対する見方が変わったか」「身近なところにいる身障者に対してどのような接触の仕方がいいのか」「身障者に対する世の中の偏見をなくすにはどうすればいいのか」など真剣な討議が繰り広げられる中にもユーモアあふれるエピソードの披露もあり終始和やかな座談会となりました。身障者に関する問題は、個人差はあるものの極めてセンシティブな側面もはらんでいることから、なかなか一概に対応の方法について明解な解決策は見いだせませんが、最後に私の方から「とにかく身障者も一般の人もまず笑顔で接することから始めませんか」と提案し、ご来場の方々からたくさんのご賛同をいただきました。

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