~生まれ変わった救急車がALS患者さんの移動の夢を実現します~

一般財団法人すこやかさゆたかさの未来研究所は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)をはじめとする障害のある方々が、より自由に外出できる環境を整えるため、クラウドファンディングを通じて募った資金をもとに、寄贈された救急車を「ゆめばす」として改装、この度、運行を開始いたします。この「ゆめばす」は、ALSをはじめとする障害のある方が、出かける楽しみをあきらめず、キラキラした日常を取り戻し、気軽に「行きたい場所」に行ける社会の実現を目指します。
「ゆめばす」の運行開始を記念して、7月19日(土)に運行開始記念セレモニーを実施いたします。
「ゆめばす」運行開始 記念セレモニー
- 日時:2025年7月19日(土) 16:00~17:00
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場所:逗子市浄水管理センター敷地内
〒249-0005 神奈川県逗子市桜山9-2448-4 - 出席予定者:神奈川県庁、逗子市役所、逗子市社会福祉協議会、メディア各社、松山博さん(ALS患者、ゆめばす第一号利用予定者)とご家族並びにヘルパーさん、財団関係者など

背景と目的
財団の趣旨に賛同いただいた方から、救急車を譲り受けたことから、この「ゆめばす」の企画はスタートしました。ALSをはじめとした障害のある方々の移動の制約は、社会参加や生活の質に大きな影響を与えています。当財団にも、移動が簡単にできないことで、日常の趣味や楽しみの時間をあきらめざるを得ないというお声が寄せられていました。そこで私たちは、寄贈いただいた救急車を活用し「楽しみのための移動」をサポートするための手段のひとつとして「ゆめばす」を実現させました。
「ゆめばす」仕様について
改装された「ゆめばす」は、電動車椅子や人工呼吸器をつけた方が無理のない体勢で友人やご家族と移動するために十分な広さと設備を備えています。車椅子のまま乗車できるバリアフリー設計はもちろんのこと、ご家族、ヘルパーさんたちの座席や必要な機器を搭載できるスペースも備えています。

軽やかで温かみのあるカラー。
ボディには逗子海岸をイメージする波と幸せを運ぶ鳩をあしらっています。
デザイン:マエダユミ(財団所属デザイナー)
「ゆめばす」の利用方法
ご利用希望者は事前に「旅のプラン」をご提示いただきます。その目的と旅程が「ゆめばす」運営に照らして問題がなければご利用いただけます。「ゆめばす」返却後には「利用のレポート」をご提出いただきます。このレポートは、その後の利用者のための参考情報として活用させていただきます。ご利用は、原則無料です。逗子市をはじめとした地域の福祉団体と連携し、ALSをはじめとする障害のある方々が気軽に利用できる移動サービスを開始します。将来的には、地域を超えてより多くの方に「楽しみの移動」を広げていくことができれば幸いです。

電動車椅子ごと患者様が乗っても安全に乗降できます。
車内は広く天井も高いので介助者の方もスムーズに動けます。
※「ゆめばす」利用については、財団HPの「ゆめばす」ページをご参照ください。「ゆめばす」は車両のみの貸出しです。運転手は利用者様にて手配をお願いします。なお、返却時にはガソリンを満タンにしてお返しいただきます。
財団代表 畠中一郎メッセージ
いよいよ「ゆめばす」をお届けすることができる運びとなり感無量です。
「救急車いらない?」、今回救急車を寄贈いただいた山口修さんからの突然のお申し出から「ゆめばす」プロジェクトは始まりました。奇想天外というより、「救急車」という言葉そのものに普段の生活とのつながりを全く欠いていた私でした。その後も多くの人々のご厚意を燃料として、私たちの財団活動を特徴づけてくれる大切かつユニークなプロジェクトとして、この度「発車」に至りました。
楽しみのための外出を事実上あきらめなくてはならない多くのALSの患者さんやそのご家族に対して、「思う存分使ってください」と言いたい一心でこのプロジェクトを進めてきました。昨年秋には、救急車を改造するための資金確保を目指してクラウドファンディングを実施しました。当初予想を大きく上回るご賛同をいただき、ゆめばすプロジェクトにギアが入りました。
改造のポイントのひとつであった300㎏の重量に耐えうるリフト、つまり救急車のストレッチャーを外し、代わりに車いすごと患者さんをゆめばすにお乗せするための強力な電動リフトの調達に思いのほか時間を要してしまいました。そのために、完成が大きくずれ込んでしまい患者さんやご家族、そして支援者の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。そういういきさつもあり、こうして正式にゆめばす稼働を宣言させていただけることは大きな喜びです。

これからは、ゆめばすが多くの患者さんたちの夢を乗せて日本全国を駆け巡ることを次の目標にして、一層励んでいきたいと思います。
引き続き温かいご支援、ご声援をよろしくお願いします。