ALS患者コラム

ベッド上での洗髪について



2023年12月に立位練習ができる高機能な大型電動車椅子ペルモビールF5を導入したため、2024年1月以降は介護保険の単位数が足りなくなり、週2回だった訪問入浴を月1回に減らすことにしました。代わりに火曜日と金曜日の週2回、訪問看護師にベッド上での洗髪をお願いした次第です。
介護保険をどう使うかは、自分の生活の中で何を重視し、何を優先するか、によって一人一人支援内容が異なります。
また、足りない部分をどう補うか、も同時に考えなくてはなりません。
お風呂やシャワーが使えなくなった時に、どのように清潔を保持するのかを考え、私の場合は、洗髪、清拭、陰部洗浄、足浴を組み合わせて実施していくことに決めたわけです。介助者に頼むこともできますが、今のところは洗髪、清拭、陰部洗浄を看護師にお願いしています。
足浴は毎晩、介助者にお願いしています。

ベッド上の洗髪に使う道具

さて、表題のテーマに戻ります。ベッド上の洗髪に使う道具は、以下です。

  1. ペット用シーツ
  2. 新品のテープ式オムツ(吸水量は10回分以上が望ましい)
  3. 乾いたタオル:1枚
  4. ぬるま湯入りのペットボトル:2つ
  5. 園芸用加圧式手動霧吹き:1つ
  6. リンスの入ったシャンプー
  7. 保温バックに入ったホットタオル:2枚
  8. ブラシ
  9. ドライヤー
  10. 粘着カーペットクリーナー(コロコロ)
  11. 洗髪セットを入れる洗面器(桶)

ベッド上の洗髪手順

仰臥位(仰向け)の状態から洗髪スタート

ベッド上での洗髪
  1. 介護ベッドの背上げを少しギャッジアップして、ベッドのヘッドボードをはずし、枕を取り外す。
     
  2. ベッドが濡れないように、ペット用シーツを敷き、その上にテープ式オムツを置き、さらにそのオムツの中央に頭を置く。
    乾いたタオルを首の後ろにかけ、両端を胸の上にのばして置く。首元から水がこぼれないようにオムツのギャザーを立てて置くと良い。
     
  3. 40℃~42℃程度、好みの温度のぬるま湯が入っているペットボトル1つに加圧式霧吹きをセットして、加圧霧吹きで髪の毛全体を濡らす。 
     
  4. シャンプーを手に取り、髪の毛につけて泡立てつつ頭皮を洗う。
     
  5. ホットタオルで泡を取り除き、オムツの端を使えるようにオムツの位置をずらす。そして残りの泡をペットボトルの加圧霧吹きで洗い流す。
     
  6. もう片方の端を使うためにオムツの位置をずらして、再度、加圧霧吹きのぬるま湯で泡を洗い流す。1本目が空になったら2本目のぬるま湯ペットボトルを使う。
     
  7. 2枚目のホットタオルで頭を包み、濡れたオムツを取り除き、代わりに首にかけたタオルを敷く。
     
  8. 頭を包んでいたホットタオルを乾いたタオルの上に開き、髪に残っている余分な水分を拭きとる。ホットタオルをはずした後、ブラシで髪を整える。
     
  9. ドライヤーで髪の毛を乾かした後、ブラシで再度整える。
     
  10. 最後に粘着カーペットクリーナーで周辺の抜け毛を取り除く。
     
  11. 洗面器に入った洗髪道具一式、そして使用済みオムツも片付けて終了。

ベッド上の洗髪ポイント

100円均一の園芸用品売り場で売っている加圧式手動霧吹きを使うところと、2リットルくらい吸水できるテープ式オムツを使うこと、さらにすすぎ回数を減らすために、リンスインシャンプーを使うのが、私の場合のベッド上洗髪の特徴です。

水圧が強く、シャワーで洗っているようなスッキリ感覚が得られるので、お勧めの方法です。気が向いたらぜひ試してみてください。
ちなみに、私は洗髪しやすく乾きやすくする目的で、事前に髪型をショートに変えました。


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